原子力エネルギー 2014 4 6

書名 みんなの原子力発電
著者 青山 智樹  総合科学出版

 とかく原子力の話になると、
専門用語が多く、わかりにくい話になってしまいますが、
この本は、一般の人でも、どんどんページが進む、
読みやすい内容となっています。
 何点か疑問を感じる記述がありますが、
全体的には、読みやすく、よくできた本だと思います。
 たとえば、原子力というと最新鋭の技術だと思いますが、
基本的には、原子力発電は、蒸気機関車と変わらないという説明は、
わかりやすい説明で、なじみやすいと思います。
 蒸気機関車が石炭を燃やして、その熱で、
水を水蒸気に変えて、その水蒸気を動力に変えることと、
原子力発電が、核分裂によって発生する熱を使って、
水を水蒸気に変えて、その水蒸気でタービンを回して発電をすることと同じです。
 つまり、原子力発電といっても、
基本的には、蒸気機関車の時代と変わらないのです。
 実は、私が関心を持っているのは、
こうした蒸気機関車のような原子力エネルギーではありません。
 私が考えているのは、原子力から直接エネルギーを取り出す方法です。
現在のような「蒸気機関」を経由してエネルギーを取り出す方法ではありません。
 宇宙時代も、地球周辺ならば、原子力エネルギーは必要ありませんが、
火星よりも遠くになると、原子力エネルギーが必要となってくるでしょう。
 さらに、他の恒星系に行くとなると、原子力エネルギーは必須となります。
つまり、膨大なエネルギーを使う必要があります。
 他の恒星系と書きましたが、
近所では数光年、遠くでは数万光年ありますが、
光年単位の距離は、意外に、近いというか、
コインの表と裏のようなもので、背中合わせのようなものです。
 たとえば、都市サイズの巨大な紙があったとします。
この紙の裏側に行くのは、大変でしょう。
紙の端まで歩いていって・・・・・。
 それを考えただけでも、おっくうになりますが、
しかし、実際は、紙一枚があるだけで背中合わせの距離です。
 要するに、どんなに巨大な紙であっても、
穴を開けてしまえば、「距離はゼロ」に等しいのです。
 宇宙も同じような手法で考えることができます。
穴を開けるか、窓が開いているところを探すか。
 ただし、穴を開けるには、
膨大なエネルギーを瞬間的かつ集中的に使う必要があります。
 もちろん、原子力エネルギーといっても、
核分裂によるか、核融合によるか、好みが分かれるでしょう。

宇宙のトンネル 2010 8 1
 宇宙にトンネルがあると言ったら大変なことになるでしょうか。
おそらく、科学者たちは、
「いったい誰が、どのようにして作ったのか」と議論になるでしょう。
 しかし、それは、余計な詮索と言えるでしょう。
こう考えてみれば、どうでしょうか。
車で道路を走っていたら、トンネルがあった。
トンネルを通れば、向こう側まで10分で行くことができます。
 しかし、このトンネルは、
「いったい誰が、どのようにして作ったのか。
それがわからない限り、トンネルを通ることはできない。
だから、私は、峠道を5時間もかけて向こう側まで行く」という人がいるでしょうか。
たいていの人が、何も考えず、便利にトンネルを使うでしょう。
 やがて、人類も、何も考えず、
便利に宇宙のトンネルを使うことになるでしょう。






































































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